小川みどりです。
唐突な質問ですが、あなたの今住んでいるおうちには、神棚や仏壇はありますか？
あるとしたら、管理しているのは、家族でしょうか。それともご自身でしょうか。
私は育った家には神棚も仏壇もあり、パートナーはどちらもない家で育っています。
お互いに価値観が違う私たち、パートナーの意見をもとに、我が家には神棚はありません。亡くなった人もいないため、仏壇もありません。
とはいえ、家族で初詣に行ったり、神社に行くのは大好きです。
また、子どもが信心を大切に養うためにも、神さまや仏さまに手を合わせる習慣を身に付けるには、身近にあることが近道だな、と思います。
私の中で、神棚を設けることが、マイブームです
このことを真剣に考える決定打となったのが、新米です。
秋になり、季節到来で、我が家も今年収穫されたお米をいただき始めました。
朝ごはんのときにお釜を開けると、ふっくらつやつやの新米が香ばしく湯気を立てています。
この小さな幸せを感じるとき、いつも必ず思い出すのが、実家の朝の様子です。
母が炊き立てご飯を神棚と仏壇にお供えするため、小皿に盛り付けます。
炊き立てご飯とお水をまず神仏にお供えして、父が祝詞とお経をそれぞれあげて朝が始まります。
欠かすことのない父の習慣で、子どもながらに見様見真似でお手伝いをしていたのです。
まっさらの炊き立てご飯に最初にしゃもじを入れるのは、神さま仏さまの分。
実家を離れてこの習慣がなくなり、人間がいつのまにか独り占めしていることが、心の中で小さく引っかかっていました。
神棚ブームが到来した私には、亡き父が「お供えして」と話しかけてきているようにさえ、感じます。
さて、どのようにして神棚を迎えようか、と考えていた矢先に、嬉しいことがありました。
産土神社を調べることができる友人から、お札の並べ方やどこの神様をお祀りしたらいいのか、アドバイスをもらう機会に恵まれました。
知識を蓄え、いざ、夫に相談です。
勇み足で、張り切って聞いてみたら、
「偶像崇拝、いらなーい」
と、ひとこと。
私、撃沈です。
この価値観の違いがはっきりしている状態で、私が一方的に事を起こすのではなく、もっと自然な形で神棚を迎えるにはどうしたらいいでしょうか。
今まさに、考えながら様子をみているところです。
ご利益とか祟りとかって、あるといえばあるし、ないといえばない。私は幼少から見慣れていても、パートナーには馴染みのないものなので、反対するのも仕方ありません。
幸い、壁の高いところに設置した棚があり、そこをまずはお祀りする場所に決めました。
毎朝炊き立てご飯とお水をお供えしたいので、今は荷物置き場になってしまっているその棚を、少しずつ物を減らしてそれっぽく整えていく予定です。
決定的な価値観の違いを乗り越えるには、誠意を持って行動していくしかありません
誰も食べないご飯と水を、どうして棚に置くの？
そんな疑問を子どもたちが持ち始めて、チャンスが再来するのを待ちます。
パートナーが、仕事の関係で、年末にお札を持ち帰ることもあったので、また持ち帰ったときには棚にお祀りし、お供えをしようと思います。
ゆかりのある神社に行き、お参りする時には、熊手やだるまなどを積極的に購入し、神棚の必要性を上げていく予定もひそかに立てています。
我が家のように前例から導き出せる場合は、こんな感じで徐々に取り入れていけば無理なく移行できそうです。
私たちはそれぞれに「すべては愛」「すべては神」と思っているので、私の実家が仏教でも大きな違和感などを感じずにこれまでやってきました。
ただ、どう行動するかについては人によりまったくバラバラなので、家庭やパートナーシップという小さな社会の中で、宗教観や価値観の違いをお互いに知っておくのは大切かもしれません。
街中で見かける、キリスト教のことばが書かれた看板を、子どもが声に出して読む時期がありました。
いいことも書いているけれど、極端かな？と感じることが書かれているときもあります。
この子が自分なりに考えを深めるためには、どんな言葉がけがふさわしいのだろう、と、工夫をしたのは、いい経験でした。
子どもは、看板のことばを鵜呑みにすることなく、優しさと広い視野を持って自分なりに解釈するようになっています。
神棚のことも町の看板のことも、どちらにおいても私が大切にしていることがあります。
それは、自分のいいように相手をコントロールしようとしていないか、自分の心を見ること。
人はとかく正しさや自分の正義で物事をジャッジしてしまいがちです。自分自身で気づけないほど、捉われてしまっている人の多いこと！
もちろん私自身も、そんな自分を知り、ハッとしては視界が広くなります。
宗教観の違いが分かると、お互いをより大切に理解しようとする気持ちが育ちますよ。
＊価値観の違いは、自分の本心を知るチャンス
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